ダッシュ / Dash (DASH)の編集履歴#7

記事全体

簡単にまとめると

即時性と高い匿名性を持ち、現実のキャッシュに近い感覚で利用できる仮想通貨を提供(電子マネー)

  • ビットコインは、送金が遅い、手数料が高く少額決済に向かないなどの問題がある
  • Dashは、ビットコインのソースコードをベースにしながら、即送受信可能で匿名性が高く、手数料もほぼ0となっており、実用性の高い電子マネー
  • 送金速度は、ビットコイン約10分に対して、Dashは数秒
  • ビットコイン等と異なり、各取引履歴が閲覧不可能になっているため、高い匿名性を実現している

何がすごいのか?

取引履歴が閲覧不可能になっており、匿名性が高い

  • ビットコインでは、過去の取引履歴が記録されているため、誰がいつ、いくら送金したのかがわかってしまう
  • DashはPrivateSendという仕組みを導入しており、送金情報を一度送金プールと呼ばれる場所へ送り、他の送金情報とシャッフルする
  • その結果、各送金履歴を追うことができなくなり、高い匿名性を実現している

即時送金が可能

  • InstantSendと呼ばれる技術を採用しており、数秒で取引を実行できる
  • これはビットコインのように取引毎にマイナーに計算の競争をさせて取引承認をするのではなく、マスターノードと呼ばれる特定のノードが承認をするという形
  • 承認者が決まっているため(実際にはマスターノードがランダムに選定される)、迅速な取引処理を実現している

開発・運営資金を外部から募る必要がない

  • ビットコイン等は、開発資金を外部からの募金で集めている
  • 一方Dashは、取引承認報酬の一部をDashの開発・運営資金に当てているため、外部からの資金調達に頼る必要がない
    • ブロック承認の報酬は、45%がマイナー、45%がマスターノード、残り10%が運営資金と決まっている
  • そのため、完全に独立した組織として、透明性の高い運営が可能となっている

マスターノードが運営の意思決定権を行っているため、迅速な意思決定が可能

  • ビットコインの場合、Segwitの導入等に代表されるように、開発チームとマイナーで意見が別れてしまった場合、論争が長引き、意思決定が遅くなることがある
  • Dashでは、マスターノードのみが投票権を持ち、各意思決定に対して投票を行う形になっている
    • 賛成票と反対票の差がマスターノード総数の10%をい越えると可決となる

どんな技術か?

マスターノードを世界で初めて導入、これにより運営の安定化、取引処理の高速化を実現

  • ノードとは、ブロックチェーンのネットワークに接続されているPCやスマートフォン等の端末を指す
  • マスターノードとは取引の承認、資金調達の投票などDASHに関する重要な意思決定を行なう権利を持ったノードのこと
  • 下記の条件を満たせば、誰でもマスターノードになることができる
    • 1000DASH以上をノードに格納
    • 24時間端末を稼働する事ができる
    • InstandSendネットワークに協力する
    • PrivateSendネットワークに協力する
  • このようにマスターノードが重要なサービスを提供して報酬を得る仕組みは、PoSe(Proof of Service)と呼ばれる

取引情報をシャッフルして匿名性を高めるPrivateSend

  • 自身が保有するDashを他のユーザーが保有する同額のDashとミックスして、自身に戻ってくる仕組み。この仕組により、取引履歴の特定が困難となる
    • ユーザーは、送金時にPrivateSendを利用することができ、例えばAがCに100DASH、BがDに100DASH送金した場合を例にとると、下図のように、各取引が送金プールでシャッフルされて送金される形となる
  • その結果、受信者が送信者のDash使用状況や保有残高を特定することは極めて難しくなる

セキュリティの高いX11と呼ばれるマイニングアルゴリズムを採用

  • 11種類のハッシュ関数を用いて実装されたセキュリティの高いマイニングアルゴリズム
  • X11では、専用のマイニングマシンの開発が困難なため、ビットコインのようにマイナーの中央集権化を防ぐことができる(特定の個人、企業の影響が小さくなる)
  • また、ビットコインと比較して消費電力も小さい

InstantSendにより、高速取引を実現

  • 数秒で取引を承認・実行できる仕組み
  • ユーザーが取引を送信した時、10のマスタノードがランダムに選定され、そのうち6以上のマスターノードが取引を承認することで取引処理(決済)が完了する
    • マスターノードにより、取引が承認されなかった場合は、マイナーによって行われる形
  • このようにマスターノードが承認を行なうことで、承認時間を短縮している。またマイニングのみでブロックチェーンを攻撃する51%攻撃も難しくなっている

誰が作っているのか?

Evan Duffield(創始者)

  • 15歳よりプログラミングははじめ、Warped AI, iAcquire, Wells Fargo,Verizon Wireless等でプログラマーとして勤務
  • Satoshi Nakamotoの論文に衝撃を受け、ブロックチェーン/仮想通貨にのめり込み、2014年にDashの前身となるXCoinをローンチ
  • Dash Core ProjectのCEOを務めていたが、2017年にKyle Haganのその座を譲った

Ryan Taylor(Dash Core CEO)

  • ヘッジファンド、PE等の金融系企業での豊富な経験、決済領域に関する広い知見を持つ
  • 元McKinsey&CompanyのAssociate Principal
  • コロンビア大学MBA

Dashコアグループ

  • Dash DAOが法的に所有する企業
  • Dashのソースコード管理、マーケティング・ビジネス開発、カスタマーサポート等を行っている
  • 49名の専任スタッフと9名のパートスタッフを抱える(2018年10月現在)
  • 利益相反につながる寄付やスポンサーシップに依存していない

Dashトラスト

  • Dashコアグループの全株式を所有する法人
  • Dashコアグループの役員の人事権を持ち、Dash DAOに帰属する特許や商標等の資産を保有
  • Dashコアグループと別組織にすることで、Dashコアグループの集権化を防いでいる

これまでの実績

  • 2014/1
    • XCoin(XCO)という名前でリリースされる(Litecoin v0.8.6.2のコードベースからのフォーク)。その後同名の会社があることが判明し、名称をDarkcoinへ変更
    • 難易度設定が誤っていたため、リリース後2日間で現在の供給枚数の4分の1に当たる約190万コインが採掘された(インスタマイン問題)
  • 2015/1
    • Darkcoin Core v0.11.0がリリース(Bitcoin Core v0.9.3のコードベースからのフォーク)
  • 2015/3
    • 名称がDarkcoinからDashに変更
  • 2017/2
    • Dash Core v0.12.1がリリース(Bitcoin Core v0.12のコードベースからのフォーク)